最小限、理解が必要な用語の説明
SSCSを使用する前に理解しておくべき用語がいくつかあります。その中で、最小限必要と思われるものをピックアップして、ここで説明いたします。
SSCSはカード型データベースソフトです。カード型データベースとは、1枚の紙に必要な情報を記入して、それらをまとめて束にしていくことでデータベースとするもの、と考えてください。
ノートをつかった顧客管理用の台帳ならば、ある1人の顧客の情報を書き込んだ1頁がこのカードであり、ノート自体がデータベース本体となるわけです。
(左図)カード型データベースの概念イメージ
SSCSはカード型データベースですが、このカード1枚1枚のことを『レコード』と呼びます。『そのレコード』だとか『10件のレコード』という場合は、『そのカード』とか『10枚のカード』ということです。
「名前」とか「住所」といった、『項目』のことです。
フィールド(項目)の中の、入力または自動計算された『情報』のことです。
左図のイメージ図で言うならば、レコードとは各カード(紙)のことです。そして、フィールドとは「名前」「住所」などの項目自体のことです。データとは、フィールド「名前」という器に入れられた「山田 太郎」とか「三符流 太郎」といった情報のことになります。
一般に、1つのレコードにはいくつかのフィールドが設定されており、そのフィールドにデータを入力していくことで、カード型データベースが成立します。
(左図)カード型データベースの概念イメージ
紙で作ったカードを束にしたデータベースを利用中に、『名前』という情報だけを一覧表にすることはできません。別途、他の紙に複写して一覧表を作成するしかないでしょう。また、『名前』と『住所』だけで『電話番号』は今は必要ないといった場合も同じです。
しかし、コンピュータ上につくられたカード型データベースでは、そのカードのサイズやカードに表示する項目を自由に変更して、その時その時に都合の良い形でデータをみることができます。その都合の良い形のことを『レイアウト』と呼びます。『レイアウト』とは表示形式のことです。
レイアウトは表示する形式を自由に変更できるだけで、中身であるデータは何も変更しません。レイアウトとは『魔法の眼鏡』と呼べるかもしれません。その魔法の眼鏡をかけてデータベースをみると、その時に不必要な項目はみえませんし、項目の並び方も自由に変わります。しかし、元々のカードは何も変わっていませんし、当然、データも変わっていません。ただ、『見え方が変わるだけ』なのです。
例) |
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図1 |
図1のレイアウトで入力された「タイプ」「ドア」「フレーム番号」などは図2のレイアウトでは表示されていません。 また、図1のレイアウトでは1件のレコードだけが表示されていますが、図2のレイアウトでは複数のレコードが表示されています。 このように、表示されている内容はレイアウトにより異なりますが、データベースは全く同じものです。 |
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図2 |
紙で作ったカードを束にしたデータベースを利用中に、ある条件にあうカードだけが必要になったとします。ある条件とは次車検日がある期間内の車輌だとか、ある特定の車種だとかなどです。この場合、紙全体を必要でないカードと必要なカードに分けて、必要なカードの束だけをみることで対処します。
コンピュータ上につくられたカード型データベースでも同じようなことができます。ある条件にあうレコードだけを表示して、条件外のものは表示しないようにするのです。
このように、全レコードを『対象である』か『対象でない』かをわけて、必要なレコードだけをみることができます。『対象とする/非対象とする』には、手動で各レコード1つずつを『対象である』か『対象でない』かにできますし、また、抜出(検索)によって任意の条件でわけることもできます。
あるレコードにおいてそれが『対象である』というのは、その時点でそのレコードをみることができるということであり、『非対象である』というのは、その時点ではみることができない、ということです。『非対象』なレコードはみえないだけであり、削除されたわけではありません。『対象外にする』と『削除する』のは全く異なる意味なのです。
『現在のレコード』とは、対象となっているカード達の中で『一番上にあるカード』であり、「現在、選択されているレコード」と考えてください。カードを1枚めくれば、つまり次のレコードに移動すれば、『現在のレコード』というのは変わってしまいます。
例) |
この場合、2件のレコードが対象となり表示されています。 |
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上の状態から車種名が「オデッセイ」の方のレコードを「対象外に」しました。 |
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